日々旅にして、旅を栖とす


Farmstrong Brewery

Farmstrong Breweryの正面でポーズ

前に4つのテーブルが並ぶ横長の大きな壁だ。ユタのキャニオンランズ国立公園で撮影した「メサ・アーチの夜明け」と題した作品が合う様に思われた。メサ・アーチは観光客に超人気のスポットだが、それでも雪景色の写真は比較的珍しい。地平線に現れた朝日が、アーチの下側や周囲の岩肌、眼下に広がるキャニオンをオレンジ色に染めるのだが、岩の上に雪があると、光が雪に反射して眩いばかりの暖かみさへ感じる光景となる。オレンジに染まる岩肌と雪のホワイトとのコントラストも鮮やかだ。写真は、アーチの中央、断崖絶壁のギリギリ前に陣取り、縦に構えた超広角のレンズを横に振ってパノラマ撮影したもので、通常の画角より横長のほぼ2:1の画角となっていた。これを28 x 40インチのパネル3枚に分割して、5インチの間隔をあけて横方向に並べる構想だった。テーブルの上約10インチのあたりにパネルの下端が来て、天井から約3インチの位置に上端が来る。スタッフにサンプルを見せて説明すると気に入って貰えたので、この作品で進める事とした。

暗い横長の壁には丁度良いと考え ”MESA ARCH SUNRISE(メサ・アーチの夜明け)”を使う事とした。

写真のプロダクションには世界最高品質と名高いWhitewall社、更にその数あるオプションの中でも最も高品質なオプションを使用している。パネルの材料には大抵メタルかアクリルを使うが、今回は前者を使う事とした。メタルは使用済みのアルミを再生しているので環境保護の見地からも好まれる向きが多いと聞く。3mmのアルミ板のバッキングの上に貼られたフジのミュージアム・グレードの最高級プリントペーパーにUHDの印刷を行い、表面を保護加工してある。裏には壁に取り付けるためのアルミのレールと、品質保証のシールが付く。

プロダクションはヨーロッパで行われるが、いつもの様に10日ほどで出来上がって来た。早速スタッフに連絡を取り、開店の1時間前から作業させて貰う事になった。車を駐車場に入れてタップルームに電話をすると、先日の女性スタッフがドアを開けてくれた。壁はコンクリート。作業を効率よく進める為、セルフ・レベリング機能付きのレーザー水準器を持ち込み、ロータリーハンマードリルで穴を開け、アンカーを打ち込んだ。ネジを入れ1枚目のパネルをぶら下げた。思った以上にゴージャスだ。作業を続け、全部のパネルを取り付けを終了するとほぼ同時に最初のお客さんが入ってきた。30分で終わると思った作業だったが、慎重を期したせいもあってか、意外に手間取ってしまった様だ。ただ出来栄えは完璧だった。スタッフも「ワォ、豪華ね」と声を上げ、大いに満足頂けた様子でホッとした。

取り付け完了。退屈な暗い壁が急に明るいフォーカルポイントになったと思う。此処のテーブルに座る客も増えるかも!
天井の梁を隔てた少し狭いスペースには別の一枚。”Mt. Shuskan Reflection”は此処から1時間半ほどの距離に聳えるMt. Bakerの近くで撮影。

道具を車に積み込んでタップルームに戻りビールをオーダーした。まーちゃんはラガー、俺はポーター。クレジットカードを取り出すと、スタッフが「私の奢りよ」とタダにしてくれた。四角いバーカウンターの写真を取り付けた壁を正面に見据える側に陣取り乾杯をした。以前は薄暗く、近寄り難かった壁の前が急に明るくなった。旨いビールが一層旨く感じた。お世話になるお礼に、出来上がったばかりのカレンダーをスタッフに手渡し、店を後にした。FARMSTRONG BREWERY、こちらに向かわれる折には是非立ち寄って下さい。

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